ステイホームでも
心地よい疲れと刺激
カラダと脳へ

外出や人との交流の場が減る中で、適度な運動や脳への刺激が不足していませんか? ステイホームでもこまめに意識して補い、いつまでも元気でいたいものです。M&K施術院(枚方市)院長で作業療法士の松井慎一さんに、家でも気軽にできる運動・認知機能の保ち方を教えてもらいました。

 

運動→質の良い睡眠の好循環を

日中に適度な運動をすると疲労がおとずれ、夜の睡眠の質が上がります。質の良い睡眠では脳の老廃物を除去するシステムが働き、組織の修復や体のメンテナンスにつながります。適度な運動は、体の機能維持だけでなく、脳のためにも良いのです。これまでのように、外に出て適度な疲労や外的刺激を得られにくい分、家にいる時の心がけが大切になります。
心地よい疲れを得られて介護予防にもなる体操と、認知機能の維持に役立つ方法を紹介しています。とりわけ体操は、
【A】=「コルセット」の役割を持つ筋肉を固めて体の土台を築く→
【B】=体全体をほぐして立つ姿勢を良くする→
【C】=太ももの筋肉を刺激して足の「出力」を高める→
【D】=足を上げやすくして転倒を防止する。
と、介護予防に直結する「歩く能力」を維持するための「段階」を意識してメニューを組みましたので、できれば 【A】→【B】→【C】→【D】(1セット)の順番で行ってください。毎日行うなら1日1セット、週に2~3日行う時は1日1~2セットを。食後1時間前後に運動を行うと、代謝機能改善、動脈硬化の予防につながります。

 


 


【POINT】
・体を支える「コルセット」の役割がある腹直筋や腹斜筋が鍛えられ、腰痛改善につながります。
・体操を始める前に椅子から2回ほど立ち上がり、体操前の自分の体の重さを確認しておきます。体操後にもう一度椅子から立ち上がり、体が軽く立つのが楽に感じられれば効果が出ています。


 


【POINT】
・大腰筋、股関節、腹斜筋のほか、肩甲骨や首まわりの筋肉が同時にほぐれます。
・腕、足ともに痛みのない範囲で上げてください。
・「1、2」と声を出しながらでもOK。体操後、体がほぐれて姿勢が伸びているかを立って確認してください。



 

【POINT】
・太ももの大腿(だいたい)直筋やふくらはぎの筋力アップにつながり、立ち座りや階段の上り下り、長い距離を歩く力がつきます
・左足を前に出し→右足を前に出し→左足を引いて→右足を引く を一連の動作にしてもOKです。
・体操が終わったら立ち座りが楽になっているかどうか、効果の有無を確かめてください。



 


【POINT】
・中臀筋(ちゅうでんきん、お尻の筋肉)や腰方形筋(腰の奥の筋肉)が鍛えられ、歩行時のふらつき防止につながるほか、足が高く上がり、転倒予防にもなります。
・②と③の間で、つらければ一度足を下ろしてもOKです。股関節やひざの痛みがあれば行わないでください。


作業療法士
松井慎一さん
まつい・しんいち●国立病院機構大阪刀根山医療センター名誉院長の佐古田三郎氏と連携し、肩こり、腰痛、不良姿勢などの慢性的な悩みを抱える人に対応。昨年9月、枚方市内に「M&K施術院」を開院。豊中市内でも月2回、筋膜リリースの自費施術にあたる。

※椅子は、座面や足が動かない固定されたものを使ってください。※体調に気をつけて、決して無理はしないよう心がけてください。

 

脳を活性化し、認知機能をキープ!

【その1】新聞記事をフル活用

何かを黙読をしている時よりも、声に出して「音読」をしている時のほうが、脳の前頭前野が活発に働くことがわかっています。たとえばその日の新聞記事の一つを音読してみましょう。それも、できるだけ「速く」音読してください。さらに頭の回転速度が上がり、脳が活性化されます。
また新聞紙面1ページの中に、たとえばひらがなの「あ」がいくつあるかを見つけてみてください。注意力や集中力の向上にもなります。

【その2】頭を使った「ながら運動」のすすめ

たとえば100から順に4を引いた数字を、「96、92、88、84…」といった具合に声に出しながら、その場で足踏みやウォーキングをしてみましょう。2人以上いるのなら、「2文字限定のしりとり」などもいいですね。認知機能と運動機能を両方使うことで、心身の機能が上がります。運動負荷は、30分ほど続けたら汗がじんわりと出る程度で、歩いて息が上がらないほどに。心拍数にしたら120までが目安とされています。




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カテゴリ: ライフ&アート